ビットコイン分析レポート

ビットコイン(BTCUSD)サイクル分析 2026年9月23日

現行PCの始点は7月の安値57734であると考えられます。はじめは底練りが続きましたが、8月半ばに上に跳ねて9月3日には82280まで上昇。9月15日には74913まで下がる場面があったものの、これはPC11.0週目にあたり、第1MCボトムであった可能性が高いと見られます。

本レポートはビットコイン(BTCUSD・米ドル建て)を対象としたサイクル分析の初回です。日経平均の週次レポートとは異なり、毎月第1週を目安とした月1回の定例を基本に、相場の節目では臨時号を出す不定期の発行とします。また当面は無料で公開します(発行体制が整った段階で、日経平均と同様の有料形式へ移行する予定です)。分析の前提(データ系列・対数スケール・週の数え方)と、ビットコインという市場の基本的な性格については、末尾の「ビットコインについて」「本レポートの前提」にまとめてあります。

今回のサマリー

・現状:2026年7月の安値57734が現行サイクルの始点。24ケ月サイクルが進行しているとすればその2.0〜2.5ケ月目。プライマリーサイクル(PC)では12.0〜12.5週目。

・想定:次の顕著なボトム(24ケ月サイクルボトム)は2028年7月を中心に4月〜10月のあいだ。

・注目:直近の安値、9月15日の74913は現行PCの第1MCボトムと見られる。これを割れると½PCが存在するか、弱気への黄信号のいずれか。PC始点の57734割れが弱気転換の分岐点。

メインチャート

このチャートでのポイント
  1. 2022年11月の15479→73794→49577が一つめの24ケ月サイクル、49577→126272→57734が二つめ。現在三つめの24ケ月サイクルが57734から進行している可能性。
  2. 57734は現行PCおよび24ケ月サイクルの始点。これを割れると現行サイクルは短期・中期の双方が弱気転換。

現状の整理

大きな枠組み:各サイクルの現在位置

2026年9月第4週(9月21日〜27日。ビットコインは24時間・週7日取引のため、週は暦どおりに数えます)時点での各サイクルの位置は以下の通りです。下に行くほど小さなサイクルとなります。大きなサイクルの動きは小さなサイクルに対して影響を及ぼす(支配性を発揮する)と考えられています。まだ観測データが限られているため、これらの数値は今後実測値をもとに変更されることがあります。

サイクル

周期

現在の位置

状態

144ケ月(12年)サイクル※暫定

120〜168ケ月

45.5〜46.0ケ月目

サイクル前半

48ケ月(4年)/72ケ月(6年)サイクル※暫定

43〜53ケ月/60〜84ケ月

2.0〜2.5ケ月目/45.5〜46.0ケ月目

48ケ月ならサイクル序盤、72ケ月ならサイクル後半

17ケ月/24ケ月サイクル

13〜21ケ月/21〜27ケ月

2.0〜2.5ケ月目

サイクル序盤

PC(プライマリーサイクル)

33週(27.5〜38.5週)

12.0〜12.5週目

サイクル中盤に近づく

第2MC

11週(7〜15週)

1.0〜1.5週目

サイクル序盤

月足から把握できる大きなサイクルとしては、まず2010年8月の0.03を始点としたいくつかの48ケ月(4年)サイクルがあります。

  • 2010年8月 0.03 → 2015年1月 152.40:53.0ケ月(内訳 15.0/17.0/21.0)
  • 2015年1月 152.40 → 2018年12月 3122.28:47.0ケ月(内訳 19.0/13.0/15.0)
  • 2018年12月 3122.28 → 2022年11月 15479:47.0ケ月(内訳 15.0/15.0/17.0)
  • 2022年11月 15479 → 2026年7月 57734:43.5ケ月(内訳 21.0/22.5)

このうち2010〜2022年までのものは内部が3分割されており、サブサイクルとして17ケ月サイクル(オーブ13〜21ケ月)を想定できます。そしてサブサイクルは2022年を境に24ケ月に変化したと見られます。

2022年以前と以後でのこうした変化は、サイクルのまとまりについての仮説を許容するでしょう。つまり2010〜2022年の3つの48ケ月サイクルから一回り大きな上位サイクル、144ケ月(12年)サイクルが形成されるのではないか、という見立てです。

この考えに基づけば、2022年11月の15479を始点に新たな12年サイクルが進行していることになりますが、これが前サイクルと同様に48ケ月×3となるかどうかはまだわかりません。可能性としては72ケ月(6年)×2もあり得る話だからです。72ケ月であればその内部は24ケ月×3に分割が可能であり、2022年から2026年までの状況(21.0ケ月/22.5ケ月)と符合してきます。ただしこれは今後数年かけて検証する事柄であり、適用には一定の慎重さが求められるでしょう。

現段階では少なくとも7月安値が24ケ月サイクルのボトムであった可能性が相当程度高いということを確認しておきたいと思います。

ポイント:7月安値から新規PC進行中

ビットコインのプライマリーサイクルは日経平均のそれと異なりほぼ二倍の期間、33週程度と考えられます。オーブを標準的な1/6でとると、27.5〜38.5週となります。

上図のように、ここ数年を一瞥するだけでもほとんどのPCがオーブの範囲に収まっていることがわかります。唯一2022年の48ケ月/12年サイクルボトムの際のPCのみが43.0週とオーブ外に延長していますが、上位サイクルがボトムをつけるときに下位サイクルが歪むのはサイクルの支配性から説明できます。

前PCは2025年11月の80537からスタートし、2026年7月の57734でボトムアウト(31.5週)。上昇8.0週に対して下落23.5週ですので、明確なレフトトランスレーションを示す弱気サイクルでした。こうして前PCが弱気になったのは、上位サイクルである24ケ月サイクルがボトムをつけるタイミング(22.5ケ月)であったためと考えられます。

前24ケ月サイクルは2024年8月の49577を始点にスタートし、57734で終了しましたので強気サイクル。上昇61.0週=13.5ケ月/下落38.0週=9.0ケ月のライトトランスレーションであったことも強気を裏付けています。前24ケ月サイクルのトップは2025年10月の126272で、ここまでの史上最高値です。

通常であれば57734スタートの現行24ケ月サイクルも強気を受け継ぐ可能性が高いといえるでしょう。そうであれば最高値は現行サイクルで更新されてもおかしくはありません。ただし現行24ケ月サイクルは下表のとおり2028年にボトムを迎える公算が大きいのですが、これは仮定の72ケ月(6年)サイクルボトムと合致する可能性があります。相応の規模の下落がボトムに向かって生ずるかもしれない点、現行24ケ月サイクルが最終的に弱気となる(=始点57734割れ)かもしれない点には留意する必要があります。

下位のプライマリーサイクル(PC)に話を移すと、現行PCは7月1日の57734を始点に現在(9月第4週)12.0〜12.5週目。11.0週目の9月15日には74913まで調整し、これが第1MCボトムであったと見られます。現在は第2MC進行中。下表のとおり現行PCのボトム時間帯は2027年の第1四半期のどこかと想定される状況です。

サイクル

ボトム時間帯

24ケ月サイクル(仮定)

2028年4月〜10月(中心時間帯:7月)

PC

2027年1月第2週〜3月第4週(中心時間帯:2月第3週)

直近の動きと見通し

BTCUSDは7月1日の57734を安値とし、しばらく底練りしたあと8月半ばから上に跳ねました。9月3日に82280の高値をつけたあと、15日には74913まで押す場面がありましたが再び反騰。21日には87373まで上昇しています。7月安値以降、MCの底(57734→74913)と高値(82280→87373)はともに切り上がっています。

7月以降の背景に触れておくと、5月中旬から7月初めにかけて米国の現物ビットコインETFから8週連続・80億ドル超の資金流出が続き、7月の月間純流入は2024年1月の上場以来で最少の約2億ドルにとどまりました。8月は一転して約35億ドルの純流入となり、2025年10月以来の規模。価格も9月初旬には82280まで戻していました。

9月中旬の下落局面では、15日(米国時間)に米上院で暗号資産の市場構造法案(Clarity Act)の審議打ち切り動議が否決(賛成49・反対50、可決には60票が必要)されたことが売り材料となった模様です。翌16日にはFOMCが2023年7月以来となる0.25%の利上げ(3.75〜4.00%)を決め、年内の追加利上げも示唆。18日には日銀も0.25%の利上げ(1.25%、1995年以来の水準)に踏み切りました。ETFはこの週の前半に資金流出が続いたあと、18日には約4億ドルの純流入に転じています。

週明け21日には8万2000ドル前後の抵抗を上抜けたことで売り方の清算を巻き込み、1月下旬以来の水準まで急伸しました。

PCの内部構造

現行PCは7月1日の57734からスタートしており、現在(9月第4週)12.0〜12.5週目を進行中です。11.0週目の9月15日に74913で第1MCボトムをつけたと見られ、現在は第2MCの1.0〜1.5週目という位置付け。

第1MCは上昇9.5週、下落1.5週の明白なライトトランスレーションでしたので、順当ならば第2MCも引き続き強気の特徴を示す可能性が高いといえます。すでに第1MCトップであった82280を超えており、第2MCがこのままライトトランスレーションを示すならばMCトップはMC後半(6.0週目〜)での出現となります。つまりあと4週以上上昇の見込みがあることになります。ただし½PCが存在する場合はPC中央付近に½PCボトムが出現する可能性があることに注意。現時点では現行PCの内部構造がMC型、½PC型、MC+½PC混合型のいずれになるかは不明です。

シナリオ整理

シナリオ

想定される動き

注目水準 / 時期

現時点の評価

メイン:57734始点に強気の現行PC

ライトトランスレーション(上昇期間が長い)

PCトップは早くとも10月最終週以降

◎

サブ:現行PCの弱気転落

始点57734割れによって弱気サイクルへ

57734割れ

△

メイン:7月1日の安値57734から現行PCがスタート。上位の24ケ月サイクルも57734でボトムを打って新規サイクルがスタートしていることから、当面は強気優位の状況と見られます。強気の特徴であるライトトランスレーションはすでに第1MCにあらわれており、現行PC自体にもこれが適用されるならば、PCトップ(天井)はPCの後半、すなわち10月最終週以降に出現する可能性が高いと考えられます。

現行PCのボトム時間帯(27.5週〜38.5週)は2027年2月第3週を中心に、1月第2週から3月第4週まで。秋以降に天井をつけ、年明けから春までのあいだに底を打つ可能性が高いのでは、と見ています。

サブ:上述のメインシナリオが崩れる条件は、PC始点の57734を割り込む場合です。これはPCの弱気転換ばかりでなく、上位サイクルである24ケ月サイクルの弱気も意味しますので、今後2年ほどの動きが下落優位となります。現時点、特に現行PCにおいてその可能性は低いと考えていますが、24ケ月サイクルの最終的な強弱については今後注意する必要があります。

中期サイクル展望

先に述べたように、2010年から2022年までの12年間にはかなりはっきりした3つの4年(48ケ月)サイクルを認めることができます。これらはいずれも内部でさらに17ケ月×3のサブサイクルに分割されるという共通の特徴を持っていました。通常、2個から3個のサイクルの結合によって上位サイクルが形成されることが多いため、3つの4年(48ケ月)サイクルの結合から12年(144ケ月)サイクルが2022年に完成した可能性があります。

そして2022年のボトムを境に、17ケ月だったサブサイクルはどうやら24ケ月に変化したと考えられます。これは長期的には次のいずれかの可能性を示しています。

  1. 新しい4年サイクルの内部が17ケ月×3から24ケ月×2の構造に変化した
  2. 2022年以降、4年サイクルではなく6年(72ケ月)サイクルが進行しており、内部は24ケ月×3の構造である

1であれば、2022年11月の15479から2026年7月の57734までで48ケ月サイクルが終了(43.5ケ月)したことになります。現在は新規48ケ月サイクルの2.0〜2.5ケ月目。

いっぽう2では2022年11月から72ケ月(6年)サイクルが進行しており、2026年7月の57734は2つめの24ケ月サブサイクルのボトム。現在は3つめの24ケ月サイクルの2.0〜2.5ケ月目と考えられます。

どちらであるかは今後数年単位で観察していかなければなりませんが、2の72ケ月(6年)サイクルが存在する場合、現行24ケ月サイクルのボトムは上位の72ケ月サイクルボトムと合致することになりますので、2028年に想定されるボトムは下落規模が大きくなる可能性があります。現行24ケ月サイクルが最終的に弱気となって始点57734を割れる場合もあり得るということです。

目先の注目ポイント

現行PCおよび上位の24ケ月サイクルは、7月安値の57734を始点として進行中です。PCは第1MCボトムを11.0週目の74913で終えたと見られ、現在第2MCの上昇に入っている可能性があります。

現行PCの内部がMCのみから構成される比較的単純なタイプであれば、強気の第2MCは6週以上上昇(=ライトトランスレーション)する公算が大きいことになります。この場合、第2MCが天井をつけるのは10月最終週以降になるでしょう。しかし½PCが出現するタイプのPCならば逆に、10月から11月にかけて大きめの½PCボトムが生じるかもしれません。これは現時点ではまだ判断できないことです。今後第1MCボトムである74913を割れることがあれば、½PCボトム出現の可能性が高まるとはいえます。

現行PCについては強気をメインに考えていることはこれまでも書いてきたとおりですが、それが破られるのはPC始点である57734を割れる場合です。これはPCばかりではなく、その上位の24ケ月サイクルの弱気転換を示しますので見立てが大きく変わることになります。

次号は10月第1週または11月第1週を予定しています(決まり次第お知らせします)。判断が変わる局面では臨時号を出します。

ビットコインについて

ビットコインは2009年に運用が始まったデジタル通貨で、政府や中央銀行のような発行主体を持たず、プログラムに定められたルールに従って発行されます。発行上限は2100万BTCと決められており、新規発行のペースは約4年ごとの「半減期」で半分に切り下げられていきます(直近は2024年4月)。この供給構造から「デジタルゴールド」とも呼ばれます。

市場は24時間365日休みなく開いており、単一の公式価格は存在しません。本レポートのBTCUSDは米ドル建て価格を指します。2010年に5セント未満で取引が始まって以来、急騰と急落を繰り返しながら上昇してきた歴史を持ち、天井からの下落率が7〜9割に達した局面も複数あります。値動きの規模が大きいため、長期チャートは対数スケールで表示します。

当方の価格データは、2010年7月から2011年までをMt. Gox、2012年以降をBitstampの取引データで接合した系列です。なお、ビットコインには半減期を軸とした約4年の循環がよく指摘されますが、当方はこれを前提とせず、価格データそのものからサイクルを検出する立場をとります。

本レポートの前提

  • 価格は米ドル建て(BTCUSD)。原則として小数点以下は切り捨てて表記します。
  • 週の数え方は暦どおりです(その月の1日を含む週が第1週。日経平均レポートの営業日基準とは異なります)。
  • 週足サイクルの「〇〇週目」は、日経分析レポート同様、1週あたり高値・安値の2点を0.5週ずつ数えるデータ点方式です。暦日換算とは最大0.5週程度ずれます。
  • 長期チャートはすべて対数スケールです。
  • 周期の値は実測データを基本とするため、変更・修正されることがあります。
  • 月1回の定例での発行を予定しており、節目で臨時号を出します。
  • 当面は無料で公開します。

用語について

用語

ざっくり言うと

プライマリーサイクル(PC)

ビットコインでは平均33週(27.5〜38.5週)で1周する相場サイクル。

ハーフプライマリーサイクル(½PC)

PCを前半と後半に分割する小規模サイクル(16.5週前後)。

メジャーサイクル(MC)

平均11週で1周する小規模サイクル。PCの中に3個前後含まれる。

4年(48ケ月)サイクル

平均48ケ月(43〜53ケ月)で1周する長期サイクル。内部は17ケ月のサブサイクル3個か、24ケ月のサブサイクル2個に分割されることが多い。

24ケ月サイクル

4年サイクルを2分割、または6年サイクルを3分割する中期サイクル(21〜27ケ月)。

17ケ月サイクル

4年サイクルを3分割する中期サイクル(13〜21ケ月)。

PCトップ/ボトム

プライマリーサイクルの天井/底。PCボトムは新しいプライマリーサイクルの始点。

½PCトップ/ボトム

ハーフプライマリーサイクルの天井/底。

MCトップ/ボトム

メジャーサイクルの天井/底。