ウェーブセオリーを用いた2023年の日経平均分析記事について、簡単に振り返っておきたいと思います。カウントの検証といった専門的な意味合いではなく、どの程度マーケットのトレンドを把握できていたのかという視点です。
今年の日経平均は、1月4日に安値・25661で始まったあと、5月~6月にかけて大きく上昇し6月19日に高値・33772をつけました。7月3日にはふたたび33762まで上昇しますが、その後は10月4日の安値・30487、およびダブルボトムにあたる10月30日の30538まで調整が続きました。直近では11月20日に高値・33853をつけ、これが年間の最高値となっています。
下図には一年間の値動きと、折々に発した見通しを書き込んであります。おおよそ適切であったもの(○)は暖色(黄色)、明らかに間違っていたもの(✖)は寒色(紺色)、問題ありだが記録しておくべきもの(△)は無色(白色)で色分けしてあります。
ここから下には、当時の見通しと記事に掲載したチャート、それから現在の一言コメントを添付しておきます。なお、中長期の月足チャートの解釈はアップデートの結果、現在はかなり変更されており、下のチャートとはかなり異なっていることを申し添えておきます。
○1月11日
“基本的には保ち合いパターンがもう数ケ月(おそらく春頃まで)継続するのではないか“
コメント:1月4日の25661をボトムとして、3月にかけて28734まで上昇、さらに26632まで急落しましたがレンジ内の動き。
○1月21日
“2023年はどこかで大きな上昇が発生する可能性が高い。“
コメント:このあと3月から6月にかけて大きな上昇(26632~33772)が発生。
○1月28日
“2月末(最終週)から3月中旬のあいだに高値をつけることになるだろう。“
コメント:3月9日に高値28734をつける。その後3月16日にかけて26632まで急落。
△3月16日
“A波の急落が終われば、その数倍の時間をかけてB波の戻りが続くのではないかと見ている。“
コメント:確かに3月16日の26632を底にじりじりと上昇を始めましたが、それはB波の戻りではありませんでした。
✖4月15日
“仮にA波の7倍の時間が経過するとなれば、5月10日付近となる。おそらく、B波はそれよりも前にトップをつけると思う。“
コメント:実際は6月19日に高値33772をつけるまで上昇し続けましたので大きな間違い。「B波」にこだわったことは反省点。
✖5月9日
“現行の波形パターンは、週足・日足ともに、いったんトップをつけると短期的には急落を生じてもおかしくない位置にあると見ている。“
コメント:先のケースと同様、明らかな間違い。パターンの完了を告げるような「急落」が生じないかぎり、トレンドは継続すると考えるしかありません。そしてサポートラインは重要。
△5月17日
“こうした強い動きが一時的なものでない(反転が起こらない)としたら、(b)波・複合調整という見方にはトラブルが生じる。“
コメント:時間的な目処を過ぎても流れが変わらないということは、解釈のどこかにミスがあるということ。やはりチャートは日足などの細部にこだわるのではなく、まず月足以上のタイムフレームで考えなくてはなりません。
○6月3日
“今後数週間のうちに生じるであろう調整の規模に差異はあるにしても、おそらく月足で見るような数ケ月単位の波では、まだ上昇過程のポテンシャルは残されている可能性が高いのではないかと思う。“
コメント:月足で見れば赤線のサポートラインががっちり支えていることがわかります。
○6月10日
“(e)波の時間量の限度は、先行する直近の(b)波・(c)波・(d)波の時間総量で規定される。これは16.0週なので、3月安値からでは7月第1週が算出される。“
コメント:6月高値33772のあとダブルトップを7月3日に33762につけましたので、時間量の測定については今年一番うまくいったケース。
○7月10日
“日足ではダイアメトリックのG波をトライアングル構造で7月5日に終えたと見られ、そこから下向きの新規パターンがスタートしたのではないかと思う。“
コメント:パターンの終盤、もしくは完成後であれば、日足レベルでも波形はクリアになるという例。
○8月19日
“(e)波が全戻しされない場合、スラストは(e)波の50%戻し(半値戻し)が目安となる。これはおおよそ30000水準(29988)。“
コメント:このあと10月4日に30487、10月30日に30538のダブルボトムをつけました。
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