(c)波のスタートの可能性
5月30日の日経平均は高値27401まで上昇した。この一ケ月近くのあいだ抑え込まれていた27000より少し上の水準を突破する動きとなった。
この上昇は5月18日から27日まで形成された収縮トライアングルからのスラスト(放れ)と見られる。重要なのは、このスラストは(c)波のスタートを告げるスラストだということだ。言い換えるとスラスト直前までが(b)波であった。
(b)波の最後がトライアングルパターンを形成したことで、最終的に下落のモメンタム(勢い)が消失してパターンを完了することになると思う。
日経平均株価波動分析 2022.05.28
と書いたように、3月末から約二ケ月にわたって続いてきた(b)波は、その下落モメンタムを完全に使い切ってしまったため終了した。その予兆はこの三週間ほどの動きの中にあらわれており、下落の力が弱まる中で上昇と下落の力関係が徐々に拮抗していくようすが、最後は収縮トライアングルとしてチャートパターンを形成したのである。
なお、(b)波における安値は5月12日の25688だが、(b)波の終点はスラストの直前となる。これは日足レベルでは5月27日の26731、週足レベルでは5月25日の26578が該当する。
5月12日安値から18日までの上昇はその直前の5月6日から12日までの下落を迅速に打ち消しておらず、この時点では新しい上昇トレンドが始まったことにならない。つまり5月12日の25688で何らかのパターンが完了したとは(日足・週足レベルでは)言えないということを理解しておくべきだ。
立ちはだかる強力なレジスタンスライン
さて、(b)波終了から(c)波入りが濃厚になってきたわけだが、まだ完全に確認されたわけではない。前回も指摘したように「6月初めまでに28000水準」が見られるかどうかに注目することになる。日足で言えば28152が目安。
その前にクリアできるかどうかが問題になるのが、2021年9月高値から下降するレジスタンスライン(チャートでは破線青)である。
これまで11月、1月、3月とたびたび強力な抵抗を見せてきたラインだ。今週であれば少なくとも27600~27700水準を確実にブレイクできるかどうかが目先の正念場と言えよう。