単純に弱気サイクルとすることができない理由
今週(4月第5週:4月25日~28日)は3月9日のPCボトム24681から7.0~7.5週が経過する。
また、4月12日安値26304をMCボトムとすれば、そこから2.0~2.5週が経過。
相場は本日、安値26051をつけて4月12日のMCボトムを割り込むこととなった。
3月9日のPCボトムから25日までの上昇期間が2.5週であったのに対して、3月25日から本日4月27日までの下落は2倍の5.0週となっている。
通常、上昇より下落の期間のほうが長くなるのは「レフトトランスレーション」であって、弱気サイクルの特徴として考えられる。
しかし、いっぽうで3月9日のPCボトム(24681)から3月25日の高値28338までの上昇に対して、本日の安値26051は60.9%の調整水準である。
これはMCボトムを下回ってなお、そしてレフトトランスレーションでありながらなお、下落規模が典型的な調整範囲(38.2%~61.8%)にとどまっている点で、単純に弱気サイクルとすることができない理由となる。
たしかに相場がMCボトム26304を下回ったことは、4月17日の記事で
そしてこれは3月25日の高値28338が第1MCトップではなく、プライマリーサイクル自体のトップ(PCトップ)であったのではないか、さらに3月9日の安値24681が更新されるばかりでなく、今後数週間にわたって弱気が継続するのではないか、という懸念をもたらすことになる。
日経平均株価サイクル分析 2022.04.17
と書いたように十分懸念には値する。
だが、3月9日のPCボトムから7.5週というタイミング(あるいはもう少し延びるかもしれないが)での安値は、メジャーサイクル(MC)よりも大きなハーフプライマリーサイクル(½PC)のボトムの可能性を排除できないのである。
仮に今後4月21日の高値27580を超えてくるようだと、相場は後半の½PCのトップ、つまりPCそのもののトップに向けて上昇していることが明確になるだろう。
これは現行サイクルが強気サイクルであることを意味し、3月25日の高値28338が更新される見込みが強まる。
当然その際は、2021年9月高値から下降する強力なレジスタンスライン(破線青)との関わりが問題になるが、PCトップに向けた上昇であればこのラインを上方ブレイクすることになる。
しかし相場が今後2~3週間でそうした強い反発に到らず再度下値を更新してくるようだと、先に書いた懸念がより現実味を持ってくる。
つまり弱気サイクルとしての動きが顕在化し、今後数週間にわたる後半の½PCの大きな流れが下落基調となってPCボトムに向かうということだ。
5月前半の動きが注目されるところだ。
※サイクル理論の基本的な知識については、レイモンド・A・メリマンの『相場サイクルの基本』を参照いただきたい。