5月13日の日経平均は25904から26479まで上昇。
その後13日夜の米国市場が堅調だったこともあり、週明けは26600前後が想定される模様だ。
下降チャネルの存在
日足の複雑なラベリングをいったん離れると、4月21日高値27580から直近3週間の動きはパラレル(平行)に近い下降チャネルの中で推移してきたことがわかる。チャネルのアッパー(上方)ラインは27580と5月6日の27072を通過するものだ。要はレジスタンス(抵抗)ラインである。
週明けに26700~26800近辺をブレイクできれば下降トレンドからの脱出が見えてくるだろう。より信頼性を高めるのであれば、早急な5月6日の高値27072超えを確認することが望ましい。
逆にレジスタンスラインに動きを阻まれるようであれば下降トレンドが継続しているということになる。
週足チャート再考
週足をあらためて整理してみよう。
5月7日の記事では3月9日安値24681から4月上旬までの上昇を複合調整による(a)波、それ以降を(b)波がトライアングルパターンを描いているのではないかと述べた。
ただし
収縮トライアングルであればE波の下落は浅いことも多いので、連休明けの下落が深くなるほどトライアングル想定は疑わしくなることに注意。
日経平均株価波動分析 2022.05.07
とも書いたように、連休明けの1300円以上の下落はトライアングル想定に疑問符を付けていることも確かだ。3月安値以降を(a)波→(b)波とする大枠は変わらないが、その内部構造についてはより適切な解釈が求められる。
(a)波の終点を前方に少しずらして3月安値24681から3月末の28300前後までの上昇とすれば、その構造はC波が極端に長い「Elongated(長尺)ジグザグ」となる(これは日足も同様の解釈)。
(b)波を3月末スタートとすると、ここまでの下落は「A-B-C-D-E-F-G」の7波動構造となる。そうであればダイアメトリックフォーメーションが該当するし、あと2波動「-H-I」が後続すれば9波動のシンメトリカルフォーメーションとなる余地も残されている。
ここまでパターン内における最大の上昇は、4月12日の26304から4月21日の27580までのD波であって、おおよそ1300円幅に近い規模であった。今後これを凌駕する上昇が生じた時点でパターン完了が示唆されるだろう。来週(5月16日~20日)にかけてそれが確認できればG波まで(破線緑)、さらにずれ込むようであればI波まで(破線ピンク)の軌跡を以てパターン終了を考慮することになる。
日足ラベリングの多様性とリスク
週足については前項で述べたように、あとはどの時点で急激な上昇(加速度的上昇)が生じるかが問題になる程度だと考えている。いっぽうで複雑化した日足チャートをどのようにラベリングするかはひじょうに困難だ。結局のところ日足においても加速度的上昇を生じた地点がそれまでのパターンの終点となるのであって、要はパターンが完了し終点が確定しないとその内部構造がはっきりしないことも多い。
誤解を恐れずに言えば、パターンの中途ではどのように解釈することも可能な傾向があるので、解釈行為自体が無駄なケース、徒労に終わるケースもあるのだ。特にタイムフレームが小さくなるほど複雑度は増すので、日足レベル以下の解釈は概してリスキーだと思う。
1分足にまでエリオット波動の永久不変の真実を求めるロマンチストのみなさまには申しわけないが、私の意見は極力単純化した構造の価格データを分析する方が有益だというものである。
関心のあるかたは以下の記事も参照されたい。
さて、長々とそのような前提を書いたうえでそれでも日足の解釈例を挙げておく。
- ダイアメトリックフォーメーション完了
- ダイアメトリックフォーメーション終端付近
- 複合調整が第3フェーズまで細分化、トライアングル完了もしくは終端付近
1. ダイアメトリックフォーメーション完了
2. ダイアメトリックフォーメーション終端付近
3. 複合調整が第3フェーズまで細分化、トライアングル完了もしくは終端付近
複合調整の内部をどのように分別するか、特に4月14日以降をどのように解釈するかで差異が生じている。どの解釈が日足レベルで的を射ているのか(あるいはどれも的外れなのか)は後続の展開を待たなければわからない。