それって本当にインパルスですか?

インパルスのモデル図

一般に現在(2022年)の相場は2008年あるいは2009年を底とした上昇トレンドとして認識されている。上昇トレンドという認識自体に異はないが、エリオット波動を用いて1波、2波、3波…とカウントするのは妥当だろうか? つまり5波動の衝撃波、インパルスとしての解釈は筋が通っているのだろうか?

私の分析にはインパルスがめったに出てこない。これを奇異に思う人から批判されることもあるが、別にインパルスを避けているわけではない。条件を満たす波動構造があれば喜んで(?)インパルスとして解釈しよう。

ところがインパルスとして成立する条件は思いのほか厳しい。

トレンド波である1・3・5波はどれかが必ずエクステンション(延長)していなければならないし、1波と2波、3波と4波のあいだの時間関係にもクリアしなければならない条件がある。加えて2波と4波のあいだには明らかなオルタネーションが(可能なかぎり複数の観点から)存在しなければならない、等々。

こうした条件はガイドラインではなくルールである。都合の良いときだけ適用する類のものではない。

そこに五つの波が見えるからインパルスです、とはならない。重要なのは5波動のパターンを認識することではなくて、ルールを満たした価格の挙動が存在するかチェックすることなのである。

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