パターン完了の確認条件

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解釈の妥当性を裏付けるもの

パターンの構造を丁寧に読み解いた末に、ついにパターン完了と判断したとする。

ではその解釈の妥当性は何によって裏付けられるか。

すべてのパターンは完了後に特定の挙動が要求される。

よってそれを満たすかどうかを精査することでパターンの終了、トレンドの転換を客観的に判断することになる。

その際、ほとんどのケースでは規定の時間内に最低限の価格変動が生じるかどうかが問題になる。

以下、概略を図解を交えて示す。

パターン確認:インパルス

インパルスと確認するためには、まず第5波(と想定されるセグメント)に消費した時間を基準とした次の第1条件を満たす必要がある。

CHECK

パターン完了後、第2波第4波を結ぶトレンドライン(2-4ライン)を、第5波と同等かそれよりも少ない時間でブレイクしなければならない。

そのうえでインパルスの種類別に以下の挙動を満たすかどうかをチェックしていく。

第1波延長型

CHECK

パターン完了後、最低でも第4波終点まで戻らなければならない。

さらに第2波終点も超えて戻る場合は、一回り大きなパターンも同時に終了したことを意味する。

第3波延長型

CHECK

パターン完了後、最低でも第4波のエリアまで戻らなければならない。通常は第4波終点付近まで戻る。

さらに第3波延長型がパターンを61.8%以上引き戻す場合は、一回り大きなパターンも同時に終了したことを意味する。

第5波延長型

CHECK

パターン完了後、最低でも第5波61.8%以上引き戻さなければならない。

ただし延長第5波が完全に引き戻されるのであれば、一回り大きなパターンも同時に終了したことを意味する。

第5波フェイラー型

CHECK

パターン完了後、インパルス全体が完全に引き戻されなければならない。

これはフェイラーが示唆するようにカウンタートレンドの力が強大なためである。

パターン確認:abcコレクション(ジグザグ/フラット)

abc三波動からなるコレクション(調整波)と確認するためには、c波(と想定されるセグメント)に消費した値幅時間を基準として用いる。

b波がa波より短いケース

CHECK

パターン完成後は、パターン始点(0)とb波終点を結ぶトレンドライン(0-bライン)を、c波と同等かそれよりも少ない時間でブレイクしなければならない。

上記条件が満たされた場合、さらに

CHECK

c波が完全にリトレースされること。それはc波と同等かそれよりも少ない時間でなければならない。

b波がa波より長いケース

CHECK

パターン完成後はc波が完全にリトレースされること。それはc波と同等かそれよりも少ない時間でなければならない。

上記条件が満たされた場合、さらに

CHECK

パターン始点(0)とb波終点を結ぶトレンドラインを、c波と同等かそれよりも少ない時間でブレイクすること。

b波がa波より極度に長いケース

CHECK

パターン完成後はc波が完全にリトレースされること。それはc波と同等かそれよりも少ない時間でなければならない。

ただしb波の規模が大きくなればなるほど、0-bトレンドラインをc波と同等かそれよりも少ない時間でブレイクすることは難しくなる。よって第2条件(ラインブレイク)の適用は緩和される

ランニングコレクションイレギュラーフェイラーフラットが該当するだろう。

パターン確認:abcdeコレクション(トライアングル)

収縮型

CHECK

パターン完成後のスラストはb-dトレンドラインを、e波と同等かそれよりも少ない時間でブレイクすること。またスラストはトライアングルの最高値(最安値)を超えなければならない。

CHECK

スラストトライアングルが消費した時間の50%e波終点に加えた時間枠内で終了しなければならない。

ただし非限定トライアングルはこの値(50%)に拘束されない

拡大型

拡大トライアングル完了後の動きは次の二つのいずれかになる。

CHECK

パターン完成後のスラストe波を完全にリトレースしない。

CHECK

スラストe波を完全にリトレースするが、e波が消費した以上の時間がかかる。

パターン確認:複合調整

CHECK

複合調整完了の確認には、最終フェーズのパターン完了確認条件が適用される。

図の例であれば最終フェーズ・フラットa-b-cの完了確認となる。

パターン確認:高度に複雑なケース・構造が不明瞭なケース

構造が高度に複雑化しているなどの理由で、進行中適切なラベリングが難しいケースもある。

そのような場合はそれまでのパターンの中で、最も大きなカウンタートレンドの動きを見つけること。

そのセグメントの値幅時間をトレンド転換の基準とする。

すなわち

CHECK

パターンの中で観測された最大のカウンタートレンドより大きく、より速い動きが出現すれば、これまでのパターンが終了し新規トレンドが開始されたと考えられる。

ただしこの条件はパターンが拡大バイアスで進行する場合(拡大トライアングルダイアメトリックフォーメーションなど)、「偽」のシグナルを発することがあり注意が必要。

おわりに

以上、パターン確認条件を概略的に列挙した。

この記事は今後もアップデート予定。

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