波ⅱの時間消費問題
本日は26904まで急落。
昨日21日の記事では
仮に明日(22日)調整場面があれば波ⅱ終点がその安値にシフトするかもしれないが、堅調な上昇が続くとすれば上述のように19日を波ⅱ終点とするべきだろう。
日経平均株価波動分析 2022.04.21
と述べたが、結果的に調整が訪れたので波ⅱ終点は19日の26777からシフトすることになる。
また、さらにその前の20日の記事では
ただし仮に波ⅱであった場合でも、時間的には今週中、つまり21日・22日までには完了することが望ましい。
波ⅱが波ⅰに対して261.8%以上の時間を消費するようだと、インパルスの挙動としては疑わしくなってくるからだ。
日経平均株価波動分析 2022.04.20
と書いた。
本日の時点では波ⅱの時間は波ⅰに対して300%に達している。
261.8%を超えてきたことで、時間面からはインパルスとして「疑わしく」なっているというのは確かにそうなのだが、インパルスではない、と決めつける段階でもない。
300%はぎりぎり許容できるかどうかのレベルだが、20日の記事にもあるように波ⅱが本日「22日までには完了」したことがはっきりすれば問題にはならないと考える。
さらにこうした時間面での不利を相殺できるだけの要素があるとすればなお良い。
波ⅱの内部構造
4月14日以降の記事を見てもらえばわかるとおり、波ⅱの内部構造には一切触れてこなかった。
これは単純に、4月14日の高値27200以来の波形が不明瞭だったためである。
しかし本日の下落によってその輪郭がある程度はっきりしたのではないかと考えている。
14日以降の波ⅱの内部構造は「.A-.B-.C」のフラットであって、その中央部「.B」の内部が細分化(=複雑化)してトライアングル「.a-.b-.c-.d-.e」を形成したと見られる。
このトライアングルはc波が最長となるタイプ、ニュートラルトライアングルに分類される。
ニュートラルトライアングルのスタンダードなフォルムは下図のモデルが参考になるだろう。
これにb波とd波の逆転(リバースオルタネーションと呼ばれる)が生じるとフォルムはさらに次のように変化する。
こうした変形は、パターンを視覚的に、形から捉えようとする姿勢を拒絶する。
構造に忠実であること、マーケットの挙動をロジカルに考えることが波動分析の要諦となる所以である。
b波トライアングル完成からのc波スラスト
結果として本日の急落は、トライアングル完成からのスラストであったと考えられる。
一般に「限定トライアングル」のスラストは、トライアングルを囲む二本のトレンドライン(破線青)の頂点(Apex point)が生じる時間帯付近で終了する。
本日は「Apex point」の時間帯と言って良い。
また、一般に「限定トライアングル」のスラストは、トライアングルの中の最長の値幅の75%~125%のレンジに収まる傾向にある。
今回のケースでは波.cが最長となるが、スラストは波.cの82%に達した。
よってこれら時間と値幅の観点からは、本日の安値26904でスラストが終了した可能性を考慮することができるだろう。
パターン完了の確認条件
このスラストは結局のところフラットの波.Cであって、フラット「.A-.B-.C」が完了したかどうかは、「パターン完了の確認条件」にそって分析していくことになる。
それによれば
パターン完成後はc波が完全にリトレースされること。それはc波と同等かそれよりも少ない時間でなければならない。
パターン始点(0)とb波終点を結ぶトレンドラインを、c波と同等かそれよりも少ない時間でブレイクすること。
がパターン完了を示すので、本日でスラストが終了したのであれば週明け25日のうちに、スラストが25日まで延びた場合は27日までに27580のブレイク、さらに27200と27580を結ぶトレンドラインのブレイクが生じるかどうかを見ていくことになるだろう。
来週騰勢が復活して高値を更新していくようであれば、上昇インパルスが形成されている見方が有効である。
ただし今回も念を押すが、「2-4ライン」の維持が最重要。